歯のクリーニング

「虫歯や歯周病になるのは仕方ない」
「歯は悪くなったら治療すればいい」
「年齢を重ねると歯はなくなるもの」

もし、このページをご覧の方でこうした考えをお持ちの方がいらっしゃるようでしたら、はっきり申し上げます。その考えは「間違い」です。下記のグラフをご覧ください。

このグラフは「80歳の残存歯数」と「定期健診・クリーニングを受ける割合」をそれぞれまとめたものです。ご覧の通り、定期健診を受けている割合が多い欧米の歯科先進国と日本では、80歳の残存歯数に大きな差が生まれています。

つまり、歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることで、虫歯・歯周病を予防し、生涯自分の歯で食事や会話を楽しむことができるというわけです。

その理由は、セルフケアでは落としきれない汚れの除去、問題の早期発見が叶うから。生涯ご自身の歯で過ごしていただけるよう、当院が行っている予防プログラムについてご紹介します。

当然ですが、患者さんお一人おひとり、お口の状態は異なります。ですので、まずは検査をしっかり行って、診査診断を行います。その上で、独自の予防プログラムを立案していきます。

代表的な検査項目

唾液検査

唾液検査は、口腔の健康状態をより詳細に評価するための非常に有効なツールです。唾液から、虫歯・歯周病のリスクを確認し、予防プログラムを立案していきます。

ポケット検査

歯周ポケットを測定し、歯周病の進行度をチェックします。

CT／レントゲン検査

CTやレントゲン検査を実施して、「顎の骨の状態」を検証します。歯周病は顎の骨を侵食する疾患であるため、この評価が重要です。

口腔内写真

お口の中を詳細に撮影し、日々のブラッシング状況や、かみ合わせ、歯並びの治療前後の変化を見ていきます。

具体的な治療方法

様々な検査を行って、患者さんの口の現状を確認します。それから、「適切な治療計画」を策定します。患者さんが理解し、納得したら、治療を開始します。

PMTCの実施

PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）は、歯科の専門家が専用の器具と技術を使用して、患者さんの口内清掃を行うプロセスです。これにより、通常の歯ブラシでは取り除けない歯垢、歯石、バイオフィルムなどの汚れを効果的に除去します。具体的には、「超音波スケーラー」「ハンドスケーラー」「エアフロー」などを活用して汚れを除去していきます。

超音波スケーラー／ハンドスケーラー

超音波スケーラーは、超音波の振動を利用して頑固な歯石を粉砕する道具で、短時間で広範囲の歯石を取り除くのが得意です。ただし、広範囲ではなく浅い箇所にしか効果を発揮しない場合もあるため、手動のハンドスケーラーと組み合わせて使用することで、歯石の徹底的な除去を実現できます。

エアフロー

エアフローは、水と微粒子を歯の表面に吹き付けることで、歯磨きや洗口液では取り除けない細菌のバリア（バイオフィルム）を効果的に除去するための装置です。歯と歯肉に優しく、傷つけることなく細菌や歯の着色物質を取り除き、より清潔な口腔環境を保つのに役立ちます。

口腔機能水の活用

殺菌効果のある「口腔機能水」を使用し、細菌やウイルスを除去します。

プロバイオティクス

口腔内には何兆もの細菌が共存しており、善玉菌と悪玉菌が絶えず競り合っています。このバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると、歯周病の原因となる菌が増殖してしまいます。プロバイオティクス療法は、この勢力バランスを正常に戻し、悪玉菌の増殖を抑制する治療法の一つです。

当院では「歯科衛生士担当制」を導入しています。歯科衛生士は予防ケアの専門家であり、予防処置は継続的なケアが必要です。担当者が定期的に変わることで患者さんの不安が減少し、1人の担当者が患者さんの情報を把握しやすく、より効果的なメンテナンスが行えると考えています。